インテル戦略転換

インテル戦略転換

インテル戦略転換

インテル創業者の一人、アンドリュー・グローブの著作。梅田さんの「ウェブ時代をゆく」で引用されていたので読んでみました。
モリーからマイクロプロセッサーへと、事業の軸足を移したインテルの事例を中心に、ビジネスにおける戦略転換の重要性、その際にとるべき行動指針を著している本です。

心に残ったのは「ウェブ時代をゆく」でも書かれていた時間配分についての一節。梅田さんの言っていたこと、実行していることが実感としてわかったような気がします。

問題は、資源の再配置ということばが、なんの弊害も伴わない響きを持っていることだ。見通しが明るく、将来有望で、素晴らしいものにより多くの関心やエネルギーを傾ける、それが資源の再配置だと受け止められている。だが一方で、資源を引き抜かれる側も存在する。生産資源、経営資源、あるいは自分自身の時間など、何かを必ず持ち去ってきているのである。従って、戦略的変貌を遂げるためには、あらゆる資源を秩序だてて配置し直さなければならないのである。さもなければ、せっかく資源の再配置を行ったとしても、空疎で陳腐なものに終わってしまう。167-168p

ついつい物事を先延ばしにしがちな私にとっては耳の痛い言葉。やるべきことと同時に、やらないことも明確にしないと足踏みするばかりで先に進めないという。牧歌的な学生時代もあと少し、物事に優先順位をつけて、本格的に時間の使い方を転換しなければならないと思いました。国の政治、企業経営、個人の生き方にいたるまで、変化の激しい現代においては、とても意義深い本だと思います。