ルート66をゆく アメリカの「保守」を訪ねて

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)

アメリカ本2冊目。著者は産経新聞外信部記者。
よくいわれるように、一般に我々はアメリカのイメージを東部(NYとか)と西部(LAとか)からの情報で形作っています。しかしながらそういった比較的オープンでエスタブリッシュメントの地域と比べて、中部の情報というのは中々身近にはありません。前々からそういったことを感じていたので、アメリカ中部のカルチャーとはどんなものかと思い、このルポルタージュを読んでみました。

ルート66は5大湖沿岸のイリノイ州シカゴからミズーリカンザスオクラホマ、テキサス、ニューメキシコアリゾナ、最後にカリフォルニア州のサンタモニカまでを結ぶ国道、通っているのは保守層の多い中西部「ハートランド」と呼ばれる地域です。
本書ではルート66をシカゴから辿りながら、保守とリベラル、政治と宗教、移民問題なども含めて一枚岩ではないアメリカの現状が生の取材を通じて浮き彫りにされています。大統領選が近くなると共和党民主党、保守とリベラルというくくりで二項対立的なものの見方がされますがそういった認識がこの本を読んで改められたと思います。アメリカの研究は今後も続けていきたいす。