生きる技術は名作に学べ

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

世界の名作って、実は面白く、人生に効く!
人気ブロガーによる世界の名作の新しい読み方! 食わず嫌いは止めて、やや古めかしく見えるそれらの作品に触れてみよう!
魔の山』『赤と黒』『異邦人』……教科書などで名前だけは目にしたけど、読んだことはないという人も多い世界の名作の数々。だが、そんな古めかしい小説でも読み方ひとつで、笑えて日々の活力になりもする。人気ブロガーがそれらの世界の名作を軽妙に読み解き、そこから意外なエッセンスを抽出した本書を読めば、人生がちょっと楽になったり、元気になったりもするはず。思わぬ発見に満ちた読書を堪能してみては?

BLOG「空中キャンプ」の伊藤聡さんが書いた新書。学生のときから読もう読もうと思いつつ、読めていないトーマス・マンの「魔の山」が紹介されているので読んでみました。本の紹介本というよりかは日常の中で抱えているちょっとした思いに気づかされる本。以下自分用メモ。

■第6章 出た悪人! サマセット・モーム「月と6ペンス」より

 われわれはたいてい、日常に埋没してしまうものである。われわれの日常はあなどりがたく、実にてごわい。月末に家賃を払ったり、庭の雑草をむしったりしているうちに、あっという間に時間がたってしまう。ひとつひとつは取るに足らない、たくさんの些事が日常を支えており、ゆえに生活には拘束力があり、しだいに身動きが取れなくなってくる。
 もちろん、せっかくの一度きりの人生だから、なにかしら意味のあることをなしとげたいとおもうこともなくはないのだが、まずはどうにか生きる算段をつけようと、職に就いたり、天気のいい日に布団を干したり、子供を学校にやったりしていると、気がつけば歳をとり、日々のあくせくした生活にすっかり埋没している。
 そういうものだ。

最近こういう思いはけっこう強い。働いている人は誰しも抱えている思いかもしれませんが、平日は仕事、週末は休みに遊び、こういうルーチンを繰り返していると段々と感覚が麻痺してきて、自分がやりたいことがなんだったのかはっきりしなくなってくる。ふと立ち止まった瞬間に、何か他のことに時間を使ったほうがいいんではないかとかいった思いが脳裏をよぎります。
どこかで折り合いをつけて日々やっていくか、一旦リセットして再始動するのか、だんだんと歳を取ると共に後者の選択が難しいものになっていくんでしょう。ここ2,3年はよくこのへんを考えていかないと惰性で現状維持を続けてしまいそうだ。


■死について

人にはそれぞれ持ち時間があるのだ、ということを、理屈ではなく実感として理解できたのはきっとそのときだ。わたしはまだ20代で、なにもかも納得いくまで何度でも挑戦できるような気がしていた。なぜかはわからないが、時間が有限であることがいまひとつぴんとこなかったのだ。人生のページはまだ真っ白で、これからいくらでもすきなように書きこめるものだとおもっていた。

人の有する時間は有限で、日常は些事に満ち溢れている。自分の主義主張を持って、物事に優先順位をつけてやらないとあっという間に時間がたって、老人になってしまい、一体なんだったんだということになりかねない。社会や会社の考え方に依存していると、必ずしも自分の優先順位で物事が進むわけでないから、気がつけばどうでもいいこと、取るに足らないことで埋め尽くされた人生で終わってしまうこともありうる-そんなことを考え中。メメントモリってやつですね。なんか若者っぽいこと書いてる感じがするぞ笑