スープで、いきます 〜商社マンが Soup Stock Tokyo を作る

スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る

スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る

いま流行りのスープ屋は、一会社員の"ひらめき"から始まった――。三菱商事で初となった「社内ベンチャー」企業の苦悩と感動、たまに涙の物語。

最近読んだビジネス書の中では抜群にワクワクした本。生活者視点からビジネスを考えていくアプローチがすごく共感できると思いました。本書を読んでいて、普段なんとなく感じていても言葉にできなかったことにハッと気づかされることが多かったです。以下ヅラヅラと気になったところを。


「はじめに」 4p

会社を車に喩えるなら、利益はガソリン。重要です。これがないと車は動かず、役に立ちません。しかし、ガソリンだけを求めてもしょうがない。
誰を乗せて、どこにいって、何をするのか。

これはほんとそう思う。利益だけを追うなら一人でデイトレードとか極めることを目標にしちゃってもいいわけだし。会社だけじゃなくてコミュニティの基本として「誰を乗せて、どこにいって、何をするのか」って大事だと思います。というかコミュニティが元々あって、歴史の中で会社や国家等々へと発展していったという方が捉え方としてはあってるのか。考えさせられるねぇ。


筆者の上司、湯川部長のことば 15p

「ビジネスマンとして昼飯を食べるのは七千五百回だけ。だから色々な人と食べろ」

人間の寿命がざっくり80年としてどんだけの食事をするのか。365日×3食×80年≒88000食てなもんできっちり3食食べない日もあるから思い切って8万食くらいか。忙しいと雑になりがちだけど、意識して大事に食事をしていきたいです。


筆者が初めての個展を終えて 24p

自分を見たとき、人生で配られるカードのうち、やはり三菱商事の社員であることと、アートワーク、この2枚で勝負だと思いました。それぞれはそこそこでも、二枚をうまく併せたポジションというのは、あまり他でも見当たりません。
そのことを「個人性と企業性」という言葉に置き換えてみました。
個人の情熱、センス、地べたの目線と企業の持っている信用やネットワークなど、両方の良いところだけを併せた何かができないか。

「個人性と企業性」という言葉にガツンときました。組織の中にいる以上、ある程度個人性は押さえ込まないとやっていけない、という思いを知らず知らずのうちに持ってしまっていました。筆者の勤める企業が総合商社で幅広い業態を扱っているということもあるのでしょうが、こういう視点は今後ますます大事になってくるような気がします。ただし個人としてある程度の専門性を持ち、自立していないと本末転倒ですが。


「振り返りと、これから」より 181p

要するに、どんなものでも「どうでもいい」、なんてものは無いんです。「どうでもいい」なんてイヤなんです。〜中略〜一杯のスープはどうでもよいか。もちろん、どうでもよくないんです。

歳を重ねるごとに、日常の中にどうでもいいものが増えていっている気がします。でも本当に「どうでもいい」ものなんてそうそうあるわけない。全然どうでもよくない。できることから一つ一つ「どうでもいい」から「どうでもよくない」ことを自分の感度に則って増やしていけたらいいですね。その方が熱いし、楽しいね。

因みに本書には会社立ち上げ時のプレゼン資料が付属しています。これが物語形式ですごくイケてます。普段の仕事で作る資料とはまったく用途が違いますが、目から鱗が落ちるような必読の企画書かと。これだけでも読む価値大いにありです。

さて、今晩の食事はスープストックにしようかな…。


Soup Stock Tokyo
http://www.soup-stock-tokyo.com/

世の中の体温をあげる
http://toyama.smiles.co.jp/