ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

人生は、ときに残酷だけれどそれでも人は生きる、鮮やかに。
世界一の自転車選手を25歳で襲った悲劇──睾丸癌。癌はすでに肺と脳にも転移していた。生存率は20%以下。長くつらい闘病生活に勝ったものの、彼はすべてを失った。生きる意味すら忘れた彼を励ましたのは、まわりにいたすばらしい人々だった。優秀な癌科医、看護婦、友人たち、そして母親。生涯の伴侶とも巡り合い、再び自転車に乗ることを決意する。彼は見事に再生した。精子バンクに預けておいた最後の精子で、あきらめかけていた子供もできた。そして、彼は地上でもっとも過酷な、ツール・ド・フランスで奇跡の復活優勝を遂げる──。

自転車選手、ランス・アームストロングの自伝。
Wikipedia - ランス・アームストロング


若いころの複雑な家庭環境、癌との闘病、伴侶との出会いなど著者の半生の記録が瑞々しく描かれています。単なるスポーツについての本ではなく、著者の癌との闘病を通して、生きるということの意味を考えさせられる良書です。

この一年ほどは妹が病気をしたり、祖母が他界したりして健康や生きるってことを身近に感じていたので、僕にとっては意味深い一冊でした。サクサク読めるので慌しい年末の合間に読むのも一興かなと。駆け抜ける感が出ていいと思います。