キリンと協和のM&A、FA選定で国内勢は蚊帳の外

キリンと協和のM&A、FA選定で国内勢は蚊帳の外

キリンはJPモルガン証券、協和がメリルリンチ日本証券とファイナンシャル・アドバイザー(FA)がともに外資系投資銀となり、それぞれの主力銀行系列の三菱UFJ証券やみずほ証券、協和の主幹事である野村証券が蚊帳の外に置かれたためだ。今回のM&Aは食品・医薬品業界の大胆な再編という面ばかりでなく、事業会社がメーンバンクや主幹事証券との過去の取引関係を重視せず、FAを選別し始めたケースとしても注目を集めている。

コーポレートファイナンスの授業でこないだキリンについてはやったばかり(最適資本構成のケーススタディー)。なのでキリンのここ2,3年の経営については勉強したてで非常にタイムリーなニュースです。
縮小する内需ビール市場でリベート競争するのは止めて、アジア・オセアニア展開と医療分野等の事業多角化をしようというのがキリンの基本的な方針のはず。財務的には無借金経営を見直し、エクイティーを減らしつつ、デットを増やして資本効率を上げましょうという感じ。
これから地盤沈下してくる内需主導の産業が、キリンみたいな方向性になってくると、それに付き添う金融会社にも異なったサービスが求められるんだなぁというニュースでした。時代の潮目といっちゃ大げさかもしれんですが、おもしろいですね。